第29章 喪失 8
渋谷は静かに
仲間に冷たい声で宣言したのだ
渋谷「俺の勘が正しかったら
あの双子は、まだまだ
どえらいモノを隠してる気がするわ・・・」
その言葉に丸山と大倉は寂しそうに俯いた
横山「どっちが表で
どっちが裏やろな?」
突然の横山の問いに
四人は驚いたように横山を見た
村上「横、どなんしたんや急に・・・」
村上の問いに横山は妖艶を浮かべて
横山「この世界はコインの裏と表
それさえ間違えんかったら
この勝負は楽勝やのにな」
誰にも
横山の考えが分からなった
そんな中に渋谷は聞いてみた
渋谷「お前は、勝つつもりなん?」
横山は冷たく渋谷を見据えた
横山「俺らに負けはあらへん」
キッパリと言ってのけたのだ
その言葉に渋谷は笑いだした
渋谷「仲間が少なくなってるのにか?」
横山「少なく?」
横山は不思議そうに答えた
渋谷「ヤスと亮と雪や・・・」
渋谷の言葉に横山は笑いながら
横山「それは偵察に行ってると思え
アイツらが簡単にやられるわけないやろ?」
そう言うと
急に渋谷に背中を見せたのだ
渋谷「偵察ねぇ・・・・」
渋谷はニヤニヤしながら言った
丸山「三人を、いつ助けるつもり?」
丸山は横山の返事が怖かった
彼の考えていることが分からなかったから
すると、横山は小さく口元を上げて
横山「今からや・・・」
そう言うと一人
ロビーの部屋から出て行ったのだ
横山の意外な返事に誰もが驚き
動けずに横山を黙って見送ってしまったのだった
自分たちが後悔するとは
思いもしないで