第1章 図書室
放課後
みんな帰りの支度の中俺は鞄を持ち真っ先にある場所に向かう。
俺は部活前に行く前に寄る所がある。
そこは学校の図書室。
俺はそこである人を待っていた。
「あれ?また菅原くんが早かった!」
図書室に入ってきた彼女は柔らかい笑顔を見せくれた。
「香坂さんのほうが教室から近いのにね!」
彼女は図書委員。
ちなみに俺が好きな人だ。
「菅原くん、今日も本借りていかないの?」
カウンターに座り小説を取り出した彼女。
¨今日も¨って言ったな?
「それじゃ俺はいつも本借りないみたいだべ?」
そう、俺はいつも本を借りない。
ここに居れる時間が少ないから。
本を選んでいる時間よりも彼女と喋っていたいから。
「フフッ、だっていつも菅原くんはここで喋って部活に行っちゃうし。
今は読書週間だからたまには借りていってくれないかな?」
好きな人に頼まれたら断れない。
「図書委員の香坂さんに言われたら仕方がないべ!じゃあ本選んでくるよ。」
俺は棚にある本を眺め
思い出したかのように本を探した。
俺は5冊の本を手に取っていた。
「はい、これ借ります。」
俺は本を裏にして彼女に渡した。
「選ぶの早かったね!」
彼女は順番にバーコードを打っていった。
「はい、5冊。返却日は2週間後です。」
彼女はそう言って借りた本と
貸し出しレシートを一緒に俺に渡した。
貸し出しレシートには本のタイトルが書いてある。
俺はレシートに丸を5つ付け彼女に渡した。
「香坂さん、これ俺の気持ち。」
彼女は不思議そうな顔をしてレシートを見ると頬が赤くなっていくのがわかった。
「菅原くん、私も同じ気持ちだよ。」
照れながらニッコリと笑う彼女が可愛かった。
俺が渡したレシート。
本のタイトルの頭文字に丸をつけた。
¨キ ミ が 好 き¨
部活前の15分間。
これから先、幸せな時間が流れるだろう。