第6章 ハロウィーン
今日はハロウィーン
お菓子が大好きなブンちゃんの為にケーキを焼く。
約束の時間よりも早く来た彼。
「いらっしゃい!早かったね!」
「だって理緒が作るお菓子楽しみだろぃ?」
そんなブンちゃんの言葉に嬉しくなる。
キッチンではケーキを焼き終わり
後はデコレーションだけ。
ハロウィーンだからかシーツを被って
キッチンにやって来たブンちゃん。
オバケのつもりなのかな?
私はそんなブンちゃんを見て和んでしまった。
「trick or treat!
お菓子くれなきゃイタズラするぞ~?」
フフッ、そんな事言わなくてもちゃんとお菓子あげるのに。
「ブンちゃん、ケーキまだだからイタズラして良いよ!」
私はクスクス笑いながら彼に話した。
するとブンちゃんは
泡立てた生クリームを指で掬い
私の頬にクリームを付ける。
「もー!イタズラじゃなくて邪魔してるし~!」
頬を膨らませた私に彼は近付き
私の頬に付けたクリームを舐めた。
「俺なりのイタズラ!どんな甘いお菓子よりも理緒が一番旨くて最高だろぃ?」
彼の言葉に私はみるみる頬が熱くなるのがわかった。
「もっと甘いの頂戴!」
子供のようにねだる彼に私は唇を重ねた。
甘いクリームの味。
私はブンちゃんの甘いキスにしばらく酔いしれていた。