第12章 ハジメテ尽くし
「んなブサイクな顔した女連れて歩けるかって話だ」
ブサイク…そんなこと、自分が1番良く分かってる。
だって私は、特に目鼻立ちがくっきりしている訳でも華やかな顔立ちな訳でもない。
極々普通、どちらかと言うと地味な顔立ち。
スタイルだって、飛び抜けて良い訳じゃない。
動きやすいような、お子ちゃま体型。
それに、産まれてからずっと暗殺ばかりで女の子らしいものを何も持っていないし、したことが無い。
「ブサイクなのは、元からだから直らないよ」
私は綺麗じゃないから、どう頑張ってもあなたの隣には相応しくない。
「…整形(ナオ)してやろうか?」
「それで綺麗になるなら」
そう言うと、トラファルガーは一瞬面食らったような顔をした。
「冗談だ」
「…冗談に聞こえない」
直したくなるような、ブスなんだと本気で思った。
あなたの手で綺麗になれるなら、それでも良いかな…と。
だから、冗談の一言で片付けて欲しくなんか無かった。