第1章 最悪の出会い
頭が、身体が重い…。
浮いているような、沈んでいるような…訳の分からない感覚。
それと…消毒薬の、匂い…?
「ん…っ」
ここ…どこ?
私は確かあの時…トラファルガーに殺された筈じゃ…。
「やっと起きたか」
視線を、声のした方に向けるとそこには…。
「トラファルガー!…ここは?」
「俺の船だ」
当然、と言うように済ました顔で答える。
「っ、降ろして!」
「却下だ」
即答。
「どうして…」
「降ろせと言われても、ここは海の中だ」
「それでも良い、放り出して」
「怪我人は降ろせない」
「構わない」