第1章 強がりなキミ*黒尾 鉄朗
「…なあ。」
「なに~?」
「……なあって。」
「だから何よ~」
「お前、本当にこれやるのかよ…」
とある日のお昼過ぎ。
普段なら必ず連絡をしてからクロの家に遊びに来るはずの花香が突然クロの家に来ていた。
「もちろん!何の為にお泊りの準備してきたと思ってるの?」
エアコンの効いた部屋。
昼間なのに電気は消され、部屋のカーテンは全て閉まっている。
「これをやる為でしょ!!」
花香が取り出したものを見て、クロが溜息を漏らすのは言うまでもない。
「またホラゲ買ってきたのかよ…」
目をキラキラさせて嬉しそうにしている花香の両手に握られていたのは、最近発売されたホラーゲームだった。