第34章 Trip トリック!
致命的な事態に帰ろうか、と廊下でためらってうろうろする。
行き交う人が変な目で私を見てるし…。
「あっれー、えっ、えっ、もしかしてつむぎちゃん?」
後ろから声がしたけど振り向きたくなかった。
逃げ出したい!
でも私は廊下の突き当り側を向いていたから振り向かないと逃げられない。
「あ、あー、及川先輩ごきげんよう」
振り向いて答え、そのまま歩き去ろうとしたが…
「…………」
うぅ、岩泉先輩が立ちはだかった。
これじゃ逃げられない。
阿吽!阿吽だからって何で今二人でいるのー!
廊下を歩く人達の目が私と及川先輩を見くらべているのがわかる。
「オレに会いにきてくれた?」
岩泉先輩を押しのけて及川先輩が云う。
その肩をムキになって押し返す岩泉先輩たくましい!…ケド今はちょっと困るなー。