第22章 好きで嫌い-パンジャ-
「つむぎに何するんですか」
トビオちゃんがドスのきいた声で云う。
「だ、か、ら、ゲーム!楽しいゲームだよ、飛雄」
反対に及川先輩の声は軽やかだ。
「ゲーム…?」
私は息を整えながら云う。
「そう。ゲーム。今から君に触った人が誰か当てるっていう簡単なゲーム」
私に触った人を当てる、ゲーム?
だから目隠ししたのか。
誰だろう。
及川先輩、矢巾先輩、渡先輩、国見くん、金田一くん、トビオちゃんの中の誰か…。
及川先輩なら誰を選ぶ?
自分自身?
いや、奇をてらってトビオちゃん?!
わ、分からない!!!
心理戦で及川先輩に勝つなんか無理だ。
だからって感触でわかるかな?
私がアワアワしている様子を見て愉しんでいるのか一団はザワザワしている。
どうしよう。
分かる気がしなくてドキドキしてきたよぅ。
お尻寒いし…。