第22章 好きで嫌い-パンジャ-
実はすごく怖い。
何故か岩泉先輩はいないし、他にも何人かいないのが気になる。
「取り敢えず後ろ向きで壁に手を付いて」
私は結ばれた不自由な手のままクルリと壁側に向き直った。
そんな私の頭に何がが触れて…視界がふさがれる。
な、に、…されるのかな?
「国見ちゃん、ほら、つむぎが目隠しされて今から何されるんだろうって震えてるよ?可愛いよ?」
可愛くなーいっ!
かさっと衣擦れの音がして…。
「怖いの?」
私の耳元で国見くんの声がした。
はぁって呼吸する音すら聞こえて…ふぁ…ちょ、何か…だめぇ。
「あれぇ、つむぎちゃん、今度はもじもじしだした。テレてるの〜?面白い」
面白くなーいっ!
「大丈夫、ちゃんと岩泉さんに代わって、ヤバそうなら止めるから」
今度は反対側から金田一くんの囁きがっ!
だ、だめっ。
心細くなってる時にそんなかっこいいこと云われたらキュンキュンしちゃうっ!