第19章 レムナントナイト
「あにょ…」
唇を離してはふはふしていた所為で噛んでしまった。
ふふっと岩泉先輩が笑う。
むぅぅ。
「どうした?」
「何で私なんですか?」
どうして、初めて付き合えって云ったのが岩泉先輩なら付き合えってなったの?
色々聞きたい。
「お前…つむぎは、本当に付き合えって云われたコト無いんか?」
ふぁ、名前、呼ばれた。
何か及川先輩とかには毎日呼ばれてるのにっ。
何で何で?
岩泉先輩に呼ばれたらふぁ〜ってなった。
「ん、と、国見くんには好きだって云われました。後は及川先輩には毎日好きとかイワレマス」
可愛いとか好きダヨ!とか愛してる〜、とか。
でもそれってきっとちょっと変わった吊橋効果で、きっと私の血が気に入らなかったら好きなんかにならないし、歯牙にもかけられないんだろう。