第17章 弱虫サンドリヨン
「あ、そうですかっ、あ、下行きましょう」
私は自分から話を振ったくせに投げっぱなしにしてエスカレーターに駆け込んだ。
「走ると危ないぞ」
後ろから岩泉先輩が来て私の後ろに付く。
で、何かお腹に手とかあてられちゃって?!
う、動けない!
降りて、お化粧とか薬のコーナーを外から眺める。
「何か買うんか?」
岩泉先輩が後ろから声をかけてきた。
何か遠慮がちにブレザーを挟んだカバンの持ち手をくいって引かれて。
やああ、可愛い。
か、顔に出しちゃだめだ。
男性を可愛いなんて!
「あ、冬に水使うと爪割れちゃうんでネイル何か塗ろうかなって!」
服装検査の日だけちゃんとしとけばイーし。