第17章 弱虫サンドリヨン
シンプルなシュガーバターのホットクレープにプリンと生クリーム。
ぢゅーっとアツアツのクレープを頬張ってからミルクティーを飲む。
溶けたバタァが冷たい紅茶で固まりかけドロドロしてくるのがたまらなく甘い。
「岩泉先輩?」
つい好物を前にはしゃいでしまった。
一一場所はショッピングモールのフードコート。
私はここのクレープが好きだ。
焼いて置いた冷たいクレープも好きだけど、焼きたてのクレープはこんな肌寒い日にはたまらなく美味しい。
そこに連れてきてもらったからとはしたなくもガツガツ食べ散らかして…。
お、女としてあるまじき行為デスヨネー。
目の前の岩泉先輩は真顔で氷が溶け切った薄いであろうミルクティーを飲んでいる。
「岩泉…先輩?」
怒ってる、のかな?
ていうか!
どうしてこうなった?!