第9章 セカンドキス
ーin部屋ー
「何する?亮ちゃん」
「え、なんやろ…?」
改めて考えると、大倉と2人きりと言う事実が俺の心臓を圧迫する。
「キス…しよ?」
「へ?」
キス…?
「嫌なん?亮ちゃん」
「い、嫌…やない」
ホンマは恥ずかしいけど、素直な気持ちを伝える。
嫌やけど、嫌やない。
矛盾してるように聞こえるかもしれへんけど、分かる人はきっとどこかに居ると思う。
恥ずかしいから “ 嫌 ” やけど、大倉とのキスは “ 嫌やない ”
「目ぇ瞑って?」
「お…ん」
ギュッ、と固く目を瞑り構える。
チュッ…リップ音を立て、軽く唇が触れたと思ったらすぐ離れる。
「亮ちゃん、顔真っ赤」
「だって…」
「涙目で言い訳しても、説得力無いで?
さ、寝よっか。亮ちゃん」
だって=言い訳なんやね、大倉の中では。
「寝よっかって…なんかヤラシイ」
「どこがやねん。
そんなこと考える亮ちゃんのがよっぽどヤラシイわ」
「そうかも…寝る」
「おん」
隣合ったベッドに入り、挨拶を交わす。
「「おやすみ」」