第6章 男前なヤス
「好きな人と話せへんのは辛いなぁ。
その人のことホンマに好きなんやろ?
せやから緊張すんねや」
亮とほとんど同じような悩みやな。
「おん。ホンマに好きやねん…りょ、その人のこと。
…俺、最近良く寝るやん…?」
名前を言いかけて途中で止める。
「せやね。
疲れとるのかと思ってたけど」
「それ、疲れとるからとかやなくて…寝てると、その人が夢に出て来るん。
夢の中やと上手く話せるし、思い通りになるから…その…」
「妄想してんねや」
ズバリ言うヤス。
「…おん」
図星やから照れながらもちゃんと頷く。
正直に言わへんと相談にならへんし。