第4章 頼れる安田先輩
ー錦戸sideー
コンコン。
部屋に響くノック音。
「はーい?どちら様ですのー?」
マルの、気伸びした返事。
ガチャッ。
マルは相手の返事も待たず、ドアを開ける。
何の為に、向こうの名前を聞いたんや…。
と、失笑する。
「僕やでー」
「ヤス!」
この声は…。
「あ、亮。まだ居ったんやね」
「おん」
「どうやったん?ヤス。
大倉の方は」
「色々話したで、渋やん」
2人きりで、と付け加えるヤス。
いくらヤスでも、それにはちょっと妬く。
でも、そんなことより…。
「どんなどんな⁉︎」
気になる。
大倉の話に、1番興味を示しているであろう俺。
ゲンキンやなぁ、俺って。