第3章 部屋割り
「ほいだら、これカメラな」
カメラをスッと差し出す。
「え、1人1台なん?」
訳が分からず瞬きをする。
「あ、そうやった。大倉は寝てて聞いてないんやったな」
ポン、と手を叩く村上くん。
「1人1台で好きな時に撮るんやって。大倉」
「ふーん、ありがとマル。
教えてくれて」
ニコッと微笑む。
「大倉のその笑顔ってホンマにカッコええなぁ」
と、素直に言うマル。
「ん、ありがと」
「素直に口に出せるって、ええなぁ…」
「ん?なんか言うた?亮ちゃん」
「な、なんでもないで?」
さっきの笑顔を見て若干赤らんだ顔を隠しながら言う。