第3章 刀は斬れればいいってもんじゃない (真選組動乱編)
連れてこられたのは伊東の部屋。・・・この男、な~んか臭うんだよな~・・・
『何の用ですか?伊東さん』
伊東は縁側に座っていた。
伊「まさか、君が真選組にいるとは思わなかったよ」
『・・・あんた、私のこと知ってたの?』
声のトーンを落としてそう聞いた。
伊「知っているも何も、有名じゃないか・・・舞鬼神さん」
『へえ・・・以外だなぁ・・・私に興味を持ってくれてるの?』
伊「随分と強気だね。さすがと言ったところだな」
・・・コイツの喋り方・・・気に食わない・・・
『知っているなら、少し口のきき方に気をつけたら?今、ここであんたを殺すことなんて、造作もないことなんだから』
伊「君は土方派なんだろう?」
『そんな派閥、知らないわ』
伊「・・・僕につくのならこのことは一切他言しないけど・・・どうする?」
やっぱり・・・そうきたか・・・伊東はいかにも興味がなさそうに膝に抱いた猫をなでている。
『・・・私を後ろにつけようってか・・・それは危ないんじゃないかな?』
私は刀を抜き、伊東の首筋にあてた。
『後ろにつけるなら、その者の刃が自分に向いていない事を確かめなければならない・・・さもなくば、死ぬぞ』
私はそれだけ言うと、刀を離した。
伊「フッ・・・君は本当に頭がいいね。気にいったよ」
『私はトシにつく気も、あんたにつく気もさらさらない』
伊「・・・ならば、何につくんだ?」
『・・・・・・・自分の武士道よ』
私は伊藤の部屋を出て行った。
あの男はバカだ。私の言った意味が理解できていない・・・
あんたに刃を向けているのは、私じゃない・・・
総悟よ