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青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第17章 もうやめて




先程の失態からこのままの状態でいれば、征十郎の逆鱗に触れかねない…と心配していたところ、コタちゃんは一つ深呼吸をして再び走り出した。


「…赤司、ワリー。この先暫く俺、一対一は控えるわ。ホントは今すぐやり返したいとこだけど、相性最悪で、ある意味火神よりやり辛い…何より、伊月は一流のプレイヤーだ。考えなしに突っ込んだらヤバい」


コタちゃんの言葉に、私は目を丸くして驚いた。

あの短気で、頭に血が上りきったあかつきには手が付けられなくなってしまうコタちゃんが…。


「…そうか。頭は冷えたようだね。ならばいい。挽回まで大目に見よう」


征十郎もコタちゃんの言葉に納得し、ボールを運んだ。


「命拾いしたわねぇ、ホント…」

「え?」


その後ろを走っていたレオ姉がコタちゃんに声を掛けた。

私も同感だ。


「あそこでもし、ムキになってすぐやり返そうとしてたら、アンタどうなってたかわかんないわよ」

「…あ。言われてみれば…いやー、完全に忘れてたわっ。伊月のことで夢中で…」

「んもうっ」


わあっと盛り上がり続ける会場。

今、一番注目を浴びているのは征十郎対火神…と言うよりも火神の超広域DF。


「温い」


だが、征十郎はそのギリギリ届かない位置で3Pシュートを放った。


「パスに気を取られて3Pへの警戒が甘くなったな。細心の注意を払い、わずかでも緩めるな。僕の動きを封じたければな…とは言え、それも時間の問題だがな。いくらゾーンに入って喰らいついたところでじきに体力は底をつく」


そう。

私から見ても明らかに分かるほど、火神の体力はどんどんと削られている。

このままでは試合終了までは確実に持てないし、火神なしで誠凛が洛山に勝つことなど不可能に近い。

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