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青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第16章 奇跡は起きない




監督、コーチと相談し、なんとも贅沢な使い方でこの試合初のT・O。


『洛山、T・Oです』


ギャラリーからも誠凛からも驚きの表情がうかがえた。


「それでもここで使うのはいささか贅沢だったかもしれんな、不要だったか?」

「いえ…ちょうど攻守の切り替えが速くなってきて細かい指示が出しづらくなってきたところです。ありがたいタイミングでした」


監督がそう言うと、征十郎は私からドリンクを受け取りながら答えた。


「うむ…むこうは今あえて、赤司を止めるという選択肢を捨てて守っている。このまま攻めても大勢に問題はないが、こちらもあえて選択肢を絞ろうか。攻めの中心を決めるぞ。…まずはお前だ、いいな」


そう言った監督の視線の先にはレオ姉。

声に出しての返事こそしなかったが、レオ姉は了解の意を示すように口角を上げた。


『T・O終了です』


T・O終了し、特に選手交代もなくコートへ出て行った洛山の五人。

その一方で誠凛は降旗君に代わり、13番の…えーっと…多分福田君。

あの征十郎を相手していたのだ。

短時間とは言え、体力も精神も削られたのだと瞬時に理解した。


「アラ嬉しい。第一クオーターの終わり、結構カチンときたのよね。ぶっ潰してあげる」

「オカマと遊ぶ趣味はねえよ、他当たれ!」


そして来た、SG対決。

レオ姉が小さく「行く」と呟くが、その日向さんのプレッシャーは甘いもので遠い。


「ダメよぉ、それじゃ」

「!?」


レオ姉はフェイダウェイで3Pを放ち、ネットをくぐらせた。

それでも日向さんも負けじと3Pを放ち決める。

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