第16章 奇跡は起きない
『試合に先立ちまして、両チームの紹介を行います』
アナウンスが会場に響き渡る。
『初めに黒のユニフォーム、誠凛高校。引率教諭、武田健司。監督、相田リコ』
名前を呼ばれた先生、そしてリコさんは立ち上がり礼をした。
リコさんの姿を見たギャラリーからは、驚嘆の声が上がる。
『続きまして、スターティングメンバーの紹介です。11番、黒子テツヤ。10番、火神大我。7番、木吉鉄平。5番、伊月俊。4番、主将、日向順平』
名前を呼ばれ、スタメンの五人がコートに立った。
その声援は『キセキの世代』の彼らにも劣らぬほどだ。
『続いて白のユニフォーム、洛山高校。監督、白金永治。アシスタントコーチ、佐藤拓生。マネージャー、藍川華澄』
監督、コーチに続いて私の名前も呼ばれ、私は立ち上がり礼をした。
ギャラリーからは、姿を消したはずの私が現れたことへの驚嘆の声が聞こえた。
『続きまして、スターティングメンバーの紹介です。8番、根武谷永吉。7番、葉山小太郎。6番、実渕玲央。5番、黛千尋。4番、主将、赤司征十郎』
『無冠の五将』の三人に加え、『キセキの世代』主将の揃う洛山のスタメンにギャラリーの盛り上がりは今大会一番だった。