第1章 桜が咲く季節は出会いの季節
それはそれで本望だったというか
でも男の子だからって本人は身長のことを気にしていたけれど
最後の彼のことばに理解した
目がいい
それは俺も感じていたことだ
想像力
分析力
記憶力
それらに優れている彼は
マネージャーとしてはぴったりだ
部員に一人くらい情報部員は欲しかったからでもある
清水はそういうことはできないから
俺は入部を許可した
彼は身長のことを気にしているからこそ
自分に最適な役目を見つけていて
それを俺たちの為に頑張ろうとしていた
それが素直にうれしかったから
そして気づいたんだ
男でも女でも構わない
俺は桔梗レノンが好きなんだって
性別は関係なく
彼自身が好きだってこと
だけどこの恋は実ることはないだろう
だって相手は桔梗レノン
そして男だ
この気持ちを伝えてしまえば優しい桔梗なら
絶対に悩んで苦しい思いをさせてしまうから
それならいっそうこの思いはふたをしておこう
誰にも気づかれないように
主将らしく
部員である桔梗と共に全国を目指そう
そう心に決めて
初めて一目惚れしたその日に失恋した俺の一日が終わった・・・・