第15章 Return
「あー、そういえばお前髪切ったんだな。」
「え?あ、うん。コロシアムで邪魔になると思ったから・・・。」
嘘。
本当は覚悟の表れで切ったのに。
「切るなって言ったけどそれもいいや!」
「久しぶりに切ったからな。随分軽くなった。」
「お前さ、もうちょっと綺麗に切れよ。」
「あぁ、短刀で切ったからな。」
「切ってやろっか?」
「え・・・サボが?」
危険。
間違えて切ったりしそう・・・。
「いやぁ・・・コアラにやってもらうからいいや。」
「俺を信用しろよ!」
「無理。」
「分かったよ。でもそれ何とかしろよ?」
「するって。」
「お前はこういうとに疎いからな。」
「お前って言うな。」
「お前名前が長いんだからしかたねぇ!」
長いからって・・・酷くないか?
「サボは私の名を呼びたくないか?」
「いや、別に・・・。」
「どうすれば呼んでくれる?」
そういう聞き方をしてくるか・・・。
こいつも大胆になったな。
「じゃあ誘ってるように俺の名前呼んで?」
「へっ!?」
「そうしたらなんとか慣れてやる。」
「////////・・・・・。」
「また顔が赤いぜ?」
「さ、サボぉ・・・。」
上目遣いでサボを見つめる。
「やっべぇ。襲いたい・・・。」
「はぁ!?」
「ま、これから気をつけるよエスメラルダ!」
「ん。」
エスメラルダは海を見つめた。
「どうかしたか?」
「んー?いや、今度海に落ちてもサボは助けてくれないなーと思って。」
「あぁ、俺は悪魔の実を食っちまったからな。」
「サボも気をつけろよ?」
「分かってるって。」
ビュォォォォォォォ……
風がサボの帽子を飛ばした。
「あぁ!!」
海に・・・
バサッ
龍となったエスメラルダが帽子をくわえて戻ってきた。
「サンキュ!」
「どういたしまして。」
「言ったそばから・・・気をつけねぇとだな。」
「そういえばさ。」
「何だ?」
「麦わらのルフィってお前の弟だったんだな。」
「ん?あぁ。」
「知らなかった。」
「血は繋がってねぇけどな。」
「分かってるよ。それでもさ。」
「火拳のエースって知ってるか?」
「あぁ、2年前に死んだ・・・。」
「あいつも兄弟さ。」
「そうか、辛かったんじゃないか?」
「そんときだけな。」