第15章 Return
「よくぞ戻ったエスメラルダ。」
エスメラルダは本部へ着きドラゴンに呼ばれた。
「私のミスだった。責任は全て私だ。」
「いや、こちらにもあったはずだ。」
「サボなら怒らないでやってくれ。サボは最善を尽くしてくれた。」
サボはずっと待っていてくれたのだから。
「それについてはサボを咎めようとはしない。お前が消えてからサボはずっと塞いでいたからな。」
「そうか・・・。迷惑を掛けた。」
「いや、お前が戻っただけで軍にとってはプラスなのだ。」
「では、私はそろそろ戻る。」
「あぁ。しっかり休め。」
エスメラルダは部屋を出た。
そして自室に向かう。
全てが懐かしく感じる。
2年は長いな・・・。
部屋は意外とキレイだった。
「ホコリかぶってると思ったのにな・・・。」
「コアラだよ。」
後ろから声がした。
「サボ・・・。」
「コアラがいつも掃除してたんだ。」
「礼を言っておかないとな。」
「懐かしいだろ。」
「あぁ。」
サボはそっとエスメラルダに抱きついた。
前に回された手にエスメラルダは自らの手を重ねた。
「俺死にそうだった。お前がいなくて。」
「同じだ。」
「お前の匂い懐かしい。」
「もう存分再会を味わっただろ?」
「まだだ。」
サボは腕に力を込めた。
「サボ。」
「んー?」
「お前って言うな。」
「それ前の俺のセリフ。」
「知ってる。」
サボはエスメラルダの向きをくるっと変えてこちらに向かせた。
「エスメラルダ。」
「そう。」
「言ったからご褒美は?」
「は?」
強引さは変わってない!!
「じゃあ・・・」
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サボの額にキスを落とした。
「そこ?」
「いいの。」
エスメラルダはサボの腕を解こうとしない。
「口にしないの?」
「しない。」
「何でだよ。」
「ご褒美だから。」
「ちぇっ。まぁ、いいや。」
サボはエスメラルダを離した。
「で、何しにきたんだサボ。」
「お前に会いに来ただけ。」
「さっきまで一緒にいたのにか?」
「エスメラルダさぁ・・・。」
「ん?」
「自分で一緒にいてって言ったんだろ?」
「限度ってものがある。」
「俺にはねぇ。」
「好きにしろ。」
「じゃあ部屋も一緒でいい?」
「寝るときだけな。」
「シたいの?」
「違う。」