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【SS合同企画作品】冬が来るその前に

第7章 文化祭scramble!!


「…ったく。連絡の一つも出来ねぇのかよ。轢くぞ。」
10分程経っても、何の連絡もない携帯に苛立ち始める。
クラスの“執事喫茶”なるものに勝手にウェイターとして駆り出されたオレは絶賛“執事コスプレ”中。
そういう訳で極力外に出たくない。
休憩の合間にどうしても確認したい事があって部誌をに持ってきてもらおうと思ったが、
こんな格好を見せるのが恥ずかしい。
高尾と緑間を呼び付ければ日誌の場所が分からないと言い出す始末。
携帯が繋がらないを探しに出て行って10分程経過している現在。
オレは仕方なく行方不明の後輩3人を探しに行く事にした。
偶に感じる他の奴等の痛い視線を無視してオレはの姿を探す。
どういう訳か、オレの視線を捉えるの姿。
緑間や高尾の方が絶対的な存在感があるにも関わらず、オレはの姿を1番に見つける。
人集りを避けて正門の方へ視線を向けると、そこにはの姿があった。
数秒遅れで確認する後輩2人組みの姿。
「一緒に居るなら連絡して来い、バカ尾。」
1人呟いて駆け寄るとそこには他校の連中も一緒にいた。
「夜久…?」
知った顔を見つけて思わず漏れた呟きにソイツはからオレに視線を移した。
「出たな巨人兵。」
「うるせぇ、轢くぞ。」
相変わらずな物言いにお互い笑みが零れる。
「夜久?知り合い?」
黒髪のトサカ男が間に入った。
「まぁな、小学校まで一緒だったヤツで、宮地清志って言うんだ。」
「音駒高校バレー部の黒尾鉄朗です。」
「どーも。宮地です。」
「コイツは孤爪研磨。」
孤爪と紹介された男の手はと繋がれていて、オレが注視するとソレを隠すように背後に手を隠した。
緑間にやたら絡んでいる猫目の男が緑間の陰から、ヒョッコリ顔を見せて大きな声を上げた。
「俺、灰羽リエーフです!」
「うるせー!リエーフ!!」
夜久の怒号が飛ぶ。
「久しぶりだな。」
「そうだな。って、宮地の格好どうした?」
「あ…あぁ、コレな執事喫茶してんだよ。強制的に着せられてんの。」
手持ち無沙汰なの手を握ってオレは自分に引き寄せた。
「孤爪君だっけ?コレは秀徳(ウチ)のだから返して貰う。」
「は幼なじみだから。」
芯の強そうな瞳が真っ直ぐオレを見つめてきた。

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