第5章 ラリマーの調和
「やぁ皆さん、お待たせ~」
「ミモザ先輩!」
ネスティの説教にもつれ込みそうだった雰囲気を一蹴したのは、呼び掛けておいて散々待たせたミモザ本人だった。
マグナは、助かったと言わんばかりの笑顔でミモザを迎える。
「おせぇんだよ。何してやがったんだ」
「ごめんなさいね~。アメルちゃんにお弁当任せてたら遅くなっちゃって」
「う…っ」
鋭い目付きで睨みつけるリューグに、ミモザは嫌味を言い放つ。
この双子の弟がアメルに頭が上がらない事を知ってるからこその発言である。
ミモザの背後から申し訳なさそうに出てきたアメルに、リューグは喧嘩腰から逃げ腰になってしまった。
「いっぱい作ってたら、時間に遅れちゃって…」
「朝から忙しそうにしてると思ったら、お弁当を作っていたのか」