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10月【SS合同企画作品】僕らの景色

第6章 コスモス



グレーのさらさらな髪にエメラルドの瞳にスラっとした背丈。
まるで絵に描いたような美しい容姿をしたその男の子は、元気いっぱいなハーフの男の子でした。



「あ!!」
「リエーフ」



ある秋の日の美術の時間、私達のクラスは校内の風景を描写することになった。
秋ならではの授業だ。



「やっぱりここがいいよな!」
「だね。一緒に描こう」
「ん!」



多くの生徒は中庭だの運動場だの、銀杏の木が植えられた所へ行っているが、私達は違った。
いつも私達が来る所。校舎裏の茂み。
そこにはコスモスが咲いていて、秋の描写もこれなら大丈夫だろうと来たのだ。
もちろんそれだけじゃないけれど。



「あっ、来た来た」
「ほんとだ…。こんにちは」
「にゃ~」



そこにはいつも数匹の猫が集まる。
その猫達といつもここで触れ合っている。ということだ。
猫好きな私達には持って来いな場所なのだ。

そして、私達が出会った場所でもある。




「あ…」
「あ、えっと…同じクラスの人!」
「です」



いつも通り猫達の餌やりに来た私の前に、ハーフの男の子が猫じゃらしを持って猫と遊んでいた。
こんな校舎裏に人が来るのは珍しくて、ビックリした。
何故いるのか聞くと、野良猫を追いかけたらここに来たと彼は言った。
それからは彼もしょっちゅう遊びに来て、今では同じクラスでありながら、教室よりもここで話すことの方が多くなっていた。
ただ猫と戯れて笑っているだけの時間。
そんな何気ない時間も彼となら楽しい。




「リエーフ、この子達餌あると思ってるよ」
「だな…。でも今無いんだよな~」
「私も…」
「昼まで待っててくれるか~?」
「にゃ~」



私達にすり寄ってくる猫達は、私達を繋がらせて癒してくれた。
その傍で咲くコスモスは静かに揺れて、私達の繋がりをまたひとつ強くさせた。



「ちょっと待ってリエーフ、それなに?」
「え、猫だけど?」
「嘘でしょ…」
「大マジ!」
「壊滅的なセンスだね…」
「うるさいなー!」

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