第28章 2人の夜久
夜久衛輔side
俺らは双子。
一卵性の双子。
小さい頃は見分けがつかない程そっくりだった。
年月が経つにつれ
あおいは女の子らしくなっていった。
髪の毛はそこまで伸ばしてなかったみたいで
肩につかないぐらいの、
ショート。
軽い感じで俺に似た
茶色っぽい髪。
身長は同じくらい。
いや!!
お、俺の方が少し高いっ!!
同じ日に産まれて同じ様に育ったはずなのに
惹かれるスポーツは違った。
あおいの方はバスケットボールへ。
俺はバレーボールへ。
それぞれ違うものに惹かれながら育った。
でも、あおいは
俺のリベロをしている姿をカッコイイと
自分もしたいと、真似をする。
スポーツ万能で。
可愛くて。なんなんだ。
って、黒尾に相談したことがある。
そしたら、
黒尾「え?顔は変わんねぇと…思う…けど?(笑)」
って。
いや、わかってるけど!!
一卵性の運命だけど!!
女らしさとか!!
そーゆー話してんのに!
黒尾はクスクス笑いながら
部室に入って行った。
俺は男なのに
スポーツ万能って程じゃない。
妹に負ける気持ちがわかるかぁぁあ。
っつーか、
俺には彼女もいねぇのに、
あおいは黒尾と付き合って4ヶ月。
そんなある日。
事件は起きた…