第11章 劣情
「ね、気持ちいい?」
俺がもう一度問うと、微かに「わ、わかんない、……」と、唇が動いた、ような気がする。
「だったら、もっとしてあげないと、「わかんない」?」
「そ、そんな……!」
俺が悪戯っぽく笑うと、悠里ちゃんは泣きそうな顔。だから、その顔がそそるんだって。それにしても、悠里ちゃんの躰が熱い。俺のせいでこんな風になっていると思うと、余計に可愛く思えた。別に俺は脱ぐ必要なんてないと思ってたけど、もっと直に悠里ちゃんに触れるのもいいと思い、上半身は全て脱ぐことにした。
「ね、これ、外していい?」
悠里ちゃんの躰に跨ったまま、そっとブラジャーの肩紐に手を掛ける。
「だ、だめ……!」
「ふぅん……」
駄目なら仕方がない。俺は、一旦肩紐から手を離し、ブラジャーの上から胸を包み込むように、ゆっくりと触った。しばらくゆるゆると触りつつ、時々鎖骨の辺りにキスを落とす。胸の中心の辺りを重点的に撫でれば、悠里ちゃんは何かに耐えるように目を瞑っては、吐息を漏らした。
「ね、気持ちいい?」
先ほどと同じ問いを口にすると、悠里ちゃんは観念したのか、小さく頷いた。俺は悠里ちゃんを抱きしめるような風をして、背中に手を滑り込ませ、ブラジャーのホックをぷちりと外した。
「ひゃ―――――!?」
そのまま手早くブラジャーを悠里ちゃんの躰から取り去る。悠里ちゃんは反射的に両手を自分の胸へと持っていこうとしたけれど、そんなものは阻止。悠里ちゃんの両手は、俺の両手によって、ベッドへと縫い付けられた。
「恥ずかしい?」
「い、……いわ、な、……い、で……」
悠里ちゃんは、両手を押さえつけられてなお、俺の下でもぞもぞと動こうとしていた。俺は右手だけを悠里ちゃんの手から離し、胸へともっていった。流石に、下着の上から触られるのと、直に触られるのとでは、感覚が違うらしい。悠里ちゃんの躰は、俺が少し触っただけで、ビクンと跳ね上がった。