第69章 作品解説

☆『ふたり』『溺れる夜』
　ヒロイン決壊。それにしても、縢といいヒロインといい、自分の気持ちでいっぱいいっぱいです。見る人が見れば、随分幼い印象になるのではないでしょうか。ヒロインは縢が好きで触れてほしいだけ。縢も、ヒロインの事は好きだんだけど、それ以上に自分自身を嫌悪している。許されない恋愛だと思っている。……実際、PSYCHO-PASSの世界では、禁断の部類に入るのでしょうが。『シャングリラ』のテーマにも繋がるのですが、超えられない壁越しに、ふたりが身を寄せ合っているというイメージで書いています。
　縢としては、ヒロインといたいけれど、自分といるヒロインの未来は、絶対に明るくないと分かっている。それどころか、自分は明日にでも死ぬかもしれない。それが罪の意識となって、縢の心を蝕んでいる。本当ならば、もっと違う形の人間関係を築かないといけないところだけれど、そこまで縢は大人じゃない。ヒロインだって、割り切れるだけ大人じゃない。狡噛や唐之杜であれば、ある程度大人な割り切りができるんでしょうが、縢とヒロインには無理ですね。縢の好きな言葉は、『人生なんて死ぬまでの暇つぶし』ですが、私自身は、そう思わなければやっていけない、縢の繊細さがあるからこそのチョイスではないかと思っている次第です。
　そして、ここにきてやっと、ふたりは「さいご」まで致すという……。精神的にも、近いようで遠いふたりですから、これぐらいなのかもしれません。読者様方は、「やっとか……。」と思ったことと思います(笑)。



☆『メイド・イン・ラブ』
　イチャイチャしただけの話。『シャングリラ』は、甘い話が少ないので……。たまにはいいかなぁ、と言う感じで放り込んだだけです。
　これも、私個人の解釈ですが、縢は多分、甘えたじゃないかなぁ……とか……。基本態度はツンですが、一旦甘えたスイッチが入ると、ベタベタじゃないかと(笑)。ヒロインも、なんやかんやあって絆されてるし……。でも、ヒロインならずとも、縢の境遇を知れば、メイド服ぐらいなんでも無い……かな……？
　一応、「フェアリー☆ランド」の単語は登場していますが、重大な伏線でも何でもないです。