藤ヶ谷先生、大好きですよ?2-SecondSerieS-
第19章 ♡Story43♡ 招待状
_百合side
「櫻井先生、ここはどう計算するんですか?」
「ここは、Xに2を代入するんですよ。」
「2を!あぁなるほど......」
太輔達がネックレスを見つけ出していた頃、
百合は昨日と同じく翔に勉強を教えてもらっていた。
「......百合様、また顔色が悪いですよ?」
「っあ、すいません......昨日有栖川先生に婚約するかしないかって言われて......
それで、もし言う通りにしなかったら太輔達を傷つけるって......」
「なるほど......」
「その答えを、あの人が帰ってくるまでに出さなきゃいけなくて......」
「それは難しい問題ですね......数学の難問より、難しいものです......」
私に与えられた選択肢は二つ、
_私が婚約をしない代わりにその代償として私に関係ある人達が傷つく。
_私が婚約をすれば、誰の命も危機にさらされない。
つまり、
私だけが犠牲になればいい......。
太輔達の事を考えるなら......
やっぱり......。
「......。」
(私に出せる答えは、もうひとつしかないよね......)
「......百合様、そろそろ昼食時でございます。
一旦頭を楽にさせましょう。昨日言ったケーキもお持ちしますよ。」
「はい......。」
「では少々お待ちください、すぐ戻ります(微笑)」
翔は席を立ち、昼食を作りに行った。
ひとり取り残された百合は......
「太輔......
私の答えは......」