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それでも君がいい。
第5章 記録.5
「この花、綺麗ね」
「それは百合だよ」
夏芽がしゃがみ、百合を眺める。
隣に咲く鈴蘭に目が行く。
「これは鈴蘭ね、竜臣さんに教わったの」
「そう、七瀬さんに....」
楽しそうに鈴蘭を見つめる夏芽。
そっか、嬉しいんだね...
「翔馬は鈴蘭、好き?」
「花全般は好きだよ」
「そう?鈴蘭の時の反応が悪かったわよ?」
「気のせいだよ」
鈴蘭は好きだ。
でも、君の中の鈴蘭は七瀬さんとの思い出の花。
上手く好きだと言えず、花全般は好きだよと誤魔化した。
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