第18章 記録.18
私は要らない出来損ないの子どもだと、両親は会う人会う人にそう言う。
勉強で一番になっても、可愛さで一番になっても、両親は喜んではくれなかった。
そして、とつぜん両親は亡くなった。
むしゃくしゃして暴力を振るっていた頃、それが最後になるなんて。
でも、悲しくはなかった。
なぜなら、楽しい思い出が私にはなかったから。
親?
そんなの、ただの価値だ。
私にそんなの居ないの。
だって、みんな私と一緒に居たがらないもの。
嫌いなんでしょ。
それならそうと、はっきり言えばいいじゃない。
結局、ご機嫌取りなんだ。