第6章 お笑いというカテゴリーを乗り越えれば冬が来る
今日で11月22日です。ネタバトルまであと3日です。早いな。この日は養成所終わりに最初君のアパートへ向かいネタの練習をしました。明日は私は養成所終わりのバイトがあるので練習日数が一日減ります。その分集中して行わなくては!
軽く練習をしたらネタの小道具集めましたと言っても麺のお湯を切る”テボ”というのとラーメンの器、あとは最初君が頭に巻くバンダナと黒いTシャツですね。芸人は歌手の方と違いネタの小道具も自己負担です。きついな。
そして11月23日です。この日もいつめんとお昼ご飯を食べていました。
「何か噂なんだけど他の養成所からはおなべの子が来るんだってさ。」
ななみさんの言葉に私も最初君も驚いてしまいました。
「ええ?」
「おなべってことはオネエじゃない方の?」
私が聴くとななみさんは頷きました。
「そうみたいよ。でもおなべの方と男性が組んだら男性コンビってこと?」
「うーん。でもミラクルパンティーさんは女性の方とオネエのコンビだけど女芸人として扱ってもらってるみたいだよ。」
最初君がつけ足して答えました。
「そうなんだ。あ~他の養成所からどんな子が来るんだろう。」
私はため息をつきました。
明日の養成所にて対戦相手が発表になります。私と最初君は誰に当たるのか不安しかないです。ちなみにピン芸人の子は他の養成所のピンの子と対戦ですがコンビやトリオはとにかく相方がいればいいとのことで人数も把握できていません。なので私と最初君はトリオの子達かもしれないしコンビの方かもしれないってことで対戦相手の人数すらわかりません。
「でも練習してきたんだし。どんな奴が来ても大丈夫ってくらいにしておかないとな。」
最初君が私を励ましてくれました。
「うっうん。」
この日は養成所終わりにバイトがありました。家に帰り夕食を食べて銭湯に行きました。お湯に浸かっている間だけは疲れも吹き飛んだ気がしましたが上がってみると緊張感が漂っていました。
「あ~もう、何も考えないで早く寝よう。」
歯を磨いて就寝です。きっと布団にもぐっても明日のことで頭がいっぱいになりそう。それではまた明日!