• テキストサイズ

女芸人の日常

第2章 上京してから


養成所に通い、いや東京に来て13日目になりました。2週間は回りましたね。次の日養成所に行くと早速私のことで話はもちきりでした。
「やっぱニュース番組だから個人名は出ないんだな~。」
最初君が腕組をしました。
そうなんです。私がインタビューを受けている時に右の縦に文字が出てたんですがまさかの”近所の人”と紹介されてしまいました。まぁ近所の人には変わりないんですけどね。そして昨日のニュースの放送にて私のインタビューが放送されていたわけなんですが・・・。
「TBSのNewsiのものですが昨夜近隣で火事があったとのことですが何かお話を聞かせてください。」
私はどぎまぎしながら答えました。
「あれは私が養成所が終わっての帰り道でした。もうすぐ家に着く頃、何か焦げ臭い匂いがしたので駆けつけると私の隣の家が燃えていました。それでご近所さんを呼んで消火活動に勤しんでおりましたら消防の方が来てくださって。誰かが呼んだんですかね?でも本当に無事に済んでよかったです。」
「出火原因は聞いていますでしょうか?」
「はい、隣の家の祖母が天ぷらを揚げていて誤って鍋をひっくり返したと聞いています。家の中の人も無事に救出されましたし、放火じゃないと知って安心しました。でも誤って鍋をひっくり返すってお年寄りの方ではありそうですもんね。今回のことを踏まえて私は料理をする時に気をつけようと思いました。」
本当に緊張していたんですよ。これがテレビ初出演なんて夢にも思いませんでしたからね。
「あなたの家は燃え移ったりはしませんでしたか?」
「少し燃え移りましたけどすぐに消したので大丈夫でした。」
「ありがとうございました。現場からは以上です。」
と、まあこんな感じで流れていましたね。朝だからバタバタしていたので悔しいです。テレビに映るならもっと綺麗な格好していけば良かったなあ。Tシャツにパンツなんて(今時はジーンズをパンツと言うそうです)どこのおばさんですか!?って感じですよね。このことを2人に話したらお腹を抱えて笑っていました。
「あの~すごく恥ずかしかったんだからね。笑わないでくれる?」
”ごめん、ごめん。”そう言いながらも2人の笑いは収まらず授業が始まるまで必死に笑いをこらえていましたとさ。いい加減にしてよねと溜め息をつく私もなんだかバカらしくなってきました。さて午前中の授業頑張ってきます!



/ 318ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp