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女芸人の日常

第6章 お笑いというカテゴリーを乗り越えれば冬が来る


次の日は養成所にて新しいことを学び、前説などのおさらいをしました。

★間(ま):事をうまく運ぶ上での大切な頃合い。お笑いの世界に当てはめれば、笑いが生まれうるタイミングのこと。せっかく面白いことを言っているのに、間が悪いと笑いが生まれない、それがたった0.2秒違っていてもダメ、という微妙なものである。芸歴が長くなると「間」はどんどんうまくなっていくものだ。

★前説:メディアの公開録音・録画や、ライブなどの本番前に行われるお客さんへの注意や説明のこと。客の緊張感をほぐしてリラックスさせ、本番で笑いが生まれやすいように場を暖める必要性があるので、芸人が担当することが多い。ADがすることもある。内容は、拍手の練習、携帯電話の電源を切ること、カメラ撮影の注意についてなど。

★漫才:漫才という字は当て字。昭和5年に吉本興業の宣伝部長であった橋本鉄彦氏が、元々あった「万歳」に代えて「漫才」としたことから始まる。
「万歳」とは、普通2人連れで、年の始めに家の前に立ち、烏帽子姿でつづみを打ち、祝いの言葉を述べ、滑稽なしぐさの舞をして金銭をもらい歩く者のこと。「三河万歳」「尾張万歳」などが有名。かなり歴史がありますね。
現在の漫才とは、2人でおかしいことをまじめくさって言い合いながら客を笑わせる演芸のこと。

★漫談:とりとめのない滑稽な話をする演芸。ピン芸人がスタンドマイク一本でしゃべる姿が想像されます。
例:きみまろさん、あばれる君など。

★耳(みみ):萩本欽一さんの持論。若手芸人が売れるためには、耳が髪の毛に隠れていてはダメ、耳は出していなければならない、というもの。それを打ち破ったのが、ふかわりょうさんであり、ネプチューンのホリケンさんであったりする。

★もうええわ:上方漫才によく見られ、ツッコミ役が、度重なるボケ役のボケに対して、このフレーズを発することで、その漫才を終焉に導く、一種のキーワード的な言葉。ちなみに、このフレーズを出したあとに、その上乗せでボケ役が話を続けて笑いをとるパターンをする若手芸人はいるが、個人的には反則だと思う。

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