第2章 上京してから
この日の講義は為になったな~。そうそう明日からはお笑いの講義をもっと詳しくやるそうです。すごく楽しみです。それと養成所に入った時に自己紹介をみんなの前でしたのですがすごく緊張してましたね。あの頃は標準語というものが分からず熊本弁とぎこちない標準語が混ざっていたなあ。今では標準語にも慣れてきましたけどね。
この日の養成所が終わり私はこの前の不動産屋さんへ行きました。アパートの見学をさせてもらうのです。
「こちらへどうぞ。」
不動産屋の方に案内されて入った建物は・・・?
「あの、ここはなんですかね?」
私は不思議になって不動産屋さんに聞きました。
「すみません。紹介する場所を間違えてしまいました。」
紹介する場所を間違えた?どう見てもここは古びた古民家だし、古臭いし。でも掃除をすればキレイになるのかなと思い家賃を聞いてみました。
「ここはワケあり物件ですのでね。家賃はお安くなっていまして2万は下りますよ。それからここは空家を改造したのだと思います。一応キッチンはついていますがお風呂がありません。ですが近くに銭湯がありますよ。」
本当はアパートの見学をさせて頂く予定でしたが思わぬ方向へ行ってしまいましたね。私は中も見学させてくださいと言って古民家の中へ入りましたが掃除をすればキレイになるんじゃないかなという感じでした。
「あの、紹介する場所を間違えたとおっしゃいましたが私この古民家が気に入ったのでここにしようかと思います。耐久性とかは大丈夫ですかね?」
「はい、古い木材の方が味があってしっかりしていますよ。こちらになさいますか?」
私の質問にも丁寧に答えてくださった不動産屋の店員さんありがとうございました。
私、山本千花夏はこの古民家に住むことになりました。
今日は住む所だけを決めてななみさんのアパートに帰ると早速ななみさんに報告しました。そして明日古民家に移ってもいいように簡単な引越しの準備をしました。そして明日は養成所が終わったら古民家を掃除して荷物を置くだけですね。あとはアルバイト先を探さないとな。精密工業で働いていた時のお金もそろそろ底をつきそなので履歴書を買っておかないとですね。無事にアルバイトも決まるといいなあ。