第3章 強制的同居生活
「……という訳で、さっきの続きな」
「――!!」
一纏めに両手首が固定され、するりと器用に片手が鈴花のシャツの中へと浸入してくる。
何が“という訳で”なのか。
話はまだ終わっていないし、何よりこれでは先程とあまり代わり映えもなく、むしろ事態は悪化している。
「待ちなさいってばあぁぁ…!!」
「いっ…!」
ドゴッ!
がむしゃらに振り回した鈴花の足が直撃する。
虎之助の股間に。
(あー……ヤっちゃった)
「ぐっ……て、めぇ」
「……ご、ごめんなさい」
鋭い眼光で睨まれて、たじろぐ。
前屈みに彼が踞ることで拘束からは逃れられたが、今度は視線だけで射殺されそうだ。
「で、でも……虎之助くん」
「呼び捨てでいい」
「じゃあ、虎之助」