第13章 春の季節【葉山 小太郎】〈アンケート〉
春の季節がやってきた。柚が、2年生へと上がった頃の話だった。今年の1年生には、あの【キセキの世代】の1人がこの洛山高校に入学してきた。
そんな話は、柚の耳に入ってきていた。しかし、柚はそんな事を気にせず新しい気持ちで、毎日過ごそうと静かに目標を決めていた。
入学式を終えて柚は、自分のクラスへと向かうのだった。柚のクラスの扉を開ければ、テンション高めで何よりも騒いでいた人物がいた。
その人物は、葉山だった。葉山が言っている言葉を流している実渕の姿もあった。
「レオねぇ!宜しくー!!」
「まさか、小太郎と一緒になるなんて予想外だわ。」
「永ちゃんは?」
葉山が言った永ちゃんとは、根武谷のことだった。そう根武谷も、このクラスメートだった。実渕は、うーんと手を顎に当てては、少しだけ悩む仕草をしていたが、何か思い付いて呆れた表情をする。
「もしかしたらアレねぇ…。食堂だと思うわ…。いつも通りに食べていると思うわよ。」
「マジで!?俺、呼んでくるー!!」
「ちょっ!?小太郎、前─」
葉山は、実渕にそれだけを言って急に走り出す。