第9章 貴方に溺れたい、月山さん。
月山さんは驚いた様に僕を見つめていたが、すぐに何時もの笑みを浮かべた。
「...本当に良いのかい?」
「はい。」
彼は背中を屈め僕の乾いた唇に舌を這わせて潤わせた。同時に後ろへ熱いものが宛てられた。ぐっ、と力が込められ、濡れそぼった中へ入ってくるのが分かる。月山さんはゆっくりゆっくり、出来るだけ痛く無い様に、僕に負担を掛けないように入れてくれた。
「ひっ、ぁっ...ぅ...」
「カネキくん...大丈夫かい?」
半分くらい入った辺りで痛みを感じ、苦し気な声を上げてしまうと月山さんはぴたりと動きを止めた。自分も余裕の無さそうな上気した表情をしているくせに、僕の事を気遣ってくれる。その事に胸が締め付けられた。
「っぁ...良いからっ...」
続きを促すも、月山さんは戸惑った様な顔をしている。僕は思いきって、彼の腰に足を回して引き寄せた。瞬間、ずぷっと音を立てながら奥まで一気に入り込んだ。ずきずきする痛みと少しの快感が僕を貫く。
「ぅあぁぁっ...!ひぁ、んくっ...」
「っぅ...か、カネキくんっ...?!」
急に奥まで入った快楽で顔を歪めつつ月山さんは慌てて僕の髪を払って顔を覗き込んだ。