第18章 男女の契りは誰かに言いふらすことではない 〜流される気持ち〜
「ちょっと! 銀時!」
女は自分をベッドの上へ押し倒した目の前の男を睨んでいる。
「何考えてるのよ! 帰るんじゃなかったの!?」
「あ? そんな簡単に帰すかよ」
目の前の男はニヤリと笑っている。ーーさっきまでの酔いはどこに行ったのだろう。
ーーそもそも、銀時と昏葉が会ったのは偶然だった。昏葉は高杉のテロに関する情報を集めに夜の街に来ていて、銀時は酒を飲み歩いているところだった。女が入った店先で、酔っ払ってお店の人を困らせていた男を回収して先程のバーに入ったのだ。そして、落ち着いたところで帰ろうとしていた。それが今、どういうわけかラブホテルと呼ばれるところに来ている。
「……演技だったの? あんたにそんな真似ができるとは思えないけど」
「ふん、どうだか」
男は顔を近付けて、女の唇と自分のものを合わせる。角度を変えて、何度も何度も触れ合う。
「……っ」
そうしているうちに、男の舌が口の中へと入ってくる。ほんのりとお酒の味がした。
「……何を考えてるの?」
抵抗せずにそれを受け入れた後、女は目を細めて男は尋ねる。
「ん? ヤりてェなーって」
「……この前ヤッたばかりよね?」
「あ? 別にいいだろ。次いつ会えるかわからねェんだし」