第2章 何よりも自分の命を大切にしろ 〜久し振りの再会〜
ここは、歌舞伎町。ならず者が集まるこの町に、黒髪の女は1人で歩いていた。
「おい、ねーちゃん」
4人ほどのチンピラがその女に声をかけた。
「この町には初めて来たのか?」
「……ええ、そうよ。だったら、何?」
女は傘帽子を少し上げて、男たちの顔を見た。
「少し、俺らと遊ばねェか?」
ククッと気持ち悪く笑って、男たちは女を囲む。
「……悪いけど……私、急いでるの」
女は目の前を塞いでいた男を押して、前に進もうとした。しかし……。
「おっと、そうはさせねェぞ!」
男は腰に携えていた刀を抜いて、刃先を女に向けた。
「……ねェ」
「あァ?」
女はゆっくりと刀を抜いた男を見上げた。
「……刀を抜いたってことは……命を賭ける覚悟があると思っても、いいわね?」
ザッ!
「お、おい! 大丈夫か!?」
「殺りやがった! この女、生かすな!」
ザッ! ザバァン!
女が静かに刀を収めると、男たちがいた場所は血の海になっていた。
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