第11章 Guitar Lesson
「へぇー、ここが花音ちゃんの家なんやね」
「あまりジロジロ見ないでくださいよ、安田さん。
なんか恥ずかしいです。
部屋汚くてすみません」
掃除しておけば良かった、と今更ながらに後悔する。
「そんなことないって!
ヤスん家の方が汚いから、気にせんといてや」
「ちょ、大倉!」
「えー、そうなんですか?
なんかイメージと逆です。
安田さんって綺麗にされてるのかと」
「綺麗やで?今は割りと」
「割りと…なぁ」
笑いを堪えている大倉さん。
「そう言う大倉さんはどうなんですか?」
「俺?綺麗やで。
意外やろ」
「まぁ、はい」
大倉さんは逆に、あまり整頓されていないイメージがあった。
失礼なことだけど。
「お茶出しますね。
適当に座っててください」
「気にせんでもええのに」
「おん、ありがとうな。花音ちゃん」
「いえ、練習に付き合って貰うのは私の方ですから。
これぐらいさせてください」