第3章 ※※※
「別に」
冷めた言葉が返ってくる。
でもまだ私は会えた嬉しさが先にたつ。
「才蔵さん、お帰りなさい!
やっと任務が終わったんですか?
なかなかお顔を見せてくださらないから…私…」
言いながらついつい顔が赤らむ。
いつものように
『俺がいなくて寂しかった?』
とか意地悪く言われるのを期待していた。
才蔵さんの意地悪な言葉も
久しぶりだと嬉しいし…。
「……」
才蔵さんは目をそらしたまま何も言ってくれない。
え?何で?
私が何か機嫌を損ねることをした?
それとも私のことなんてもう興味が無くなった?
なら何でこの部屋にわざわざ来てるの?
別れ話をされてしまうの?
久しぶりに会えたのに。
こんな再会だなんて悲しすぎる。
私は短時間で色々なことを思い巡らし
気持ちがどんどん沈んでいく。
そしてとても悲しくなり自然と目に涙が溢れてくる。
「泣いてもだめ。」