第20章 【雲の上まで】芥川慈郎
「雲の上でお昼寝したらどんな気持ちかなー・・・」
寝ぼけ眼で芝生に寝転ぶあなたの隣に座り、私もその視線の先の空を見上げる。
どこまでも青い空には、ふんわりとした白い雲が浮かんでいて、その眩しさに少し目を細める。
「んー・・・気持ち良さそうだけど・・・どうかな?実際にのれる訳じゃないしね?」
そんな私の返事に、だよねー、なんて残念そうな顔をしたあなたは、それから少し考えて、いいこと思いついたC~♪、なんてキラキラと目を輝かせる。
「こうすればきっと、雲の上にいるみたいだよー!」
璃音ちゃんの膝枕、気持ちE~、そう嬉しそうに頬ずりをするあなたの重さを心地よく感じながら、だから、実際にはのれないから、わからないでしょ?なんてふふっと笑う。
そっとあなたのそのフワフワの髪を撫でると、すぐに聞こえてきた穏やかな寝息にまた目を細める。
「・・・璃音ちゃん・・・大好きだC~・・・」
そうムニャムニャと寝言を言うあなたを微笑ましく思いながら、私も大好きよ?慈郎くん、そうそっと呟く。
もう一度見上げた空にはやっぱり白い雲が浮かんでいて、あなたと一緒なら、いつかあの雲の上まで行けるかもしれない、なんて思ってそっと微笑む。
それは爽やかな風が吹く、初夏の日の幸せな一時____
【雲の上まで】芥川慈郎