過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第20章 エルドの恋愛相談室
「おまえの気持ちはよくわかった。だが・・・」
ナナシが想うのはエルヴィンでも、
リヴァイがナナシを想い続けていても何の問題もないだろう。
「俺はおまえが好きだ。困ったことがあったら、
真っ先に俺の所に来い」
「・・・しかし・・・」
「これは俺が勝手にする事だから、おまえが気にする事じゃない。
俺はおまえといられれば、報われなくても構わねぇ。
むしろ、俺はおまえに感謝している」
「感謝・・・?私はお主に何もしてやれていないぞ?」
「俺は今まで誰かを愛するという事は一生無いと考えていたが
おまえの存在が俺を変えた。こういう気持ちを持つのも悪くない。
・・・だから感謝している」
ふっと不器用に笑うリヴァイが痛々しくて、
ナナシはぎゅっと彼を抱き締めた。
「・・・すまぬ。残酷なことばかりして・・・」
「何度も言わせるな。おまえが気にする必要はねぇんだ、
バーカ」
「リヴァイ・・・」
あったけぇな・・・。
人と触れ合うのは不快に感じるばかりだったが、
ナナシを抱くのは嫌いじゃない。
リヴァイは柔らかい笑みを浮かべてナナシの背中に腕を回した。