第4章 部屋での練習
チュッ
敬語を使ってしまった分のキスを
終えて、恥ずかしさに下を向いていると
藍「こっち向いて」
藍くんの優しい声がするけれど
首を横に振って『嫌です』と呟いた
藍「顔真っ赤にするのやめてよ」
『むっ無理ですよっ』
藍「いい加減に慣れたらいいじゃん」
『慣れるならもうっとくに慣れてるよ!!』
藍「フランスでもやってたんでしょ
いちいち赤くなるんだったら映画なんて
無理だよ」
藍くんの部屋から
出て行った
私だって慣れたいよ
でも、昔から片思いしてるのに
初めてのキスですごく恥ずかしかったし
藍くんと二人になって心臓が止まってしまうとか
そんな事だって思った
一回一回していくキスも
夢じゃないのって
好きな人から‘キスして’と言われた時
何かの冗談だと思った
こんな気持ちなのに
今とっても恥ずかしいけど嬉しいのに
『藍くんのバカ』