第34章 運命
また重い空気になってしまった
すると今度は彼が少し寂しそうな声で
頭を下げながら
安田「しばらく連絡できんでほんまにごめんな」
「大丈夫ですよ」
安田「実はな、メンバーとご飯を食べてる時に
スマホを水没させてもうてん」
「はい?」
彼の以外の告白に私は驚いていた
安田「やから、そのメンバーが
ふざけて俺のスマホをいじってる時にさ
取り返そうとしたら酒をひっくり返して
その下にスマホがあってやな」
私は唖然としていた
私が心配して返事を待っていたのに
スマホがそんな事になって
連絡を取れなくなっていたとは
怒る気にもなれずに、私は黙って天井を見ていた
安田「いやぁ、早く会いに来てさぁ
連絡取りたかってんやで?
でも、仕事もあってや、今日になってもうてん」
「もう、いいですよ」
私は冷たく言い放ってしまた
安田「怒ってるん?」
彼は小さい声で私に言った
「怒ってませんから....」
安田「やて、笑ってないやん」
彼は私の様子を知ると
ベットに身体を乗り出してきた
そんな彼を私は少しだけ微笑んで
「週刊誌の件で怒られてなくって本当に良かったです」
安田「ゆめちゃん......」
「色々、書かれてたので、大丈夫かと思ってたので」
そう言うと頭から布団をかぶった
溢れてくる涙を彼に見せたくなかったのだ
馬鹿みたいに心配した自分に泣けてきたのだ
あと、元気な彼にホッとしたのもあった
あんなに寂しさを我慢してた
日々を思い出して涙が止まらなくなっていたのだ