第45章 プレゼント
私は朝日が昇りきるのを見終わると
彼に向かって手を差し出しました
彼はそれに答えるよに手を握りました
「それでは、行ってきますね」
安田「おん、行ってらしゃい」
私は彼の手をそっと離した
「安田さんも、身体に気をつけて
お元気でいてくださいね」
安田「ゆめちゃんもやで」
「はい、精一杯頑張って来ます」
私はそう言うと、花束を抱えたまま
頭を深々と下げ笑顔で顔を上げた
その私の顔を見ると彼も笑顔だった
そして、もう何も言わずに彼に背を向けて
私は歩き始めた
目から涙が溢れて止まらなかったが
私は拭くこともせずに泣きながら歩いた
私は彼に待っててくれと言わなかった
ずっと愛してくれとも.......
それは、三年と言う時間に
彼を縛り付ける事になるから
彼は私が来るか来ないか関係なく
待っててくれる人
いつも私を笑顔にしてくれてた
私はもう充分だった
私だけが愛しててもそれで
充分だった
彼が私を忘れなきゃ
出会った事の過去の彼女の存在になっても
私は幸せだった
私は、彼に自由になってもらうという
プレゼントを置いて
自分の夢の為に涙を流しながら
何よりも辛い別れを決めたのだ
もし、あの伝説が本当なら
またいつか私たちはどこかで巡り合って
彼と結ばれるはず
そんな淡い願いを胸に私は
力強く歩いた
この前まで彼と手を繋いだこの道を
そして、今からの未来を
歩きだしたのでした