第44章 島
私が立つのを見ると彼は嬉しそうに微笑むと
無造作に繋いでいた手を離し
突然、隣の島に飛び移った
驚いて見ている私にまた、手を差し出して
安田「ほらぁ」
私に手を出すように促したので
私は恥ずかしそうに手を差し出いて繋いだ
繋がった手に不思議な感じがした
安田「海の神様の力を借りれたんかなぁ?」
そう言うと私に恥ずかしそうに笑った
「噂が本当なら......」
私が俯きながら言った
安田「頑張って来いな」
「はい....」
返事した後に私は何も言えなくなり
彼も黙ってしまった
私は未来を思い描いていた
もし、私が頑張れば
また彼とここに立てるのだろうか?
安田「無理せんと負けそうになったら
帰って来るやで」
「はい.....」
彼の私を握る手が強くなっていく
「安田さんも、頑張って下さいね」
安田「おん、もちろんや」
それから私たちは、何気ない会話を続けていた
会話が終わると二人の別れが
ぐっと近づくと感じているかのように
二人で話し続けていた