第11章 失う事の悲しみ(ルカside)
「....昔ね、あいつらに目の前で両親を殺されたんだ」
「えっ...」
なぜか急に話したくなった。
彼女の優しさからだろうか。
「両親が、人間との共存を望んでいたんだ。それに反対する者が大半だった。でも、両親は何度も何度も頼んでいたんだ。」
『人間と共存を!!』
『彼らはいい人だ!!暮らしていれば分かる!』
「でも、あいつらはその訴えに腹を立て殺したんだ。それも拷問という生き地獄の果ての結果さ。」
君の両親が殺された、そう友人に聞いて駆けつけたら、残酷なことになっていた。
ズタズタのボロボロになった両親を見たときは、死のうかとも思った。
それを止めることが出来たのは、澪だ。